UPA政権の自由化政策で日印関係に弾み
統一進歩連合(UPA:United Progressive Alliance)政府が、国内経済の自由化と対外的開放政策を進める中で、昨年顕著な改善を見た日本とインドの関係は、今年(2006)、一層の発展を遂げるものと予想されます。
日印首脳、8項目の二国間関係強化策合意
昨年4月28-30日に、インドを訪れた小泉純一郎首相は、Manmohan Singh首相と、『両国首都における首相の年次会談』、『外務/国防/貿易/金融/情報通信技術各省を含む閣僚レベル会議』、『日本企業のインド投資促進』、『大型インフラストラクチャー優先プロジェクトに対する支援強化』、『大量高速貨物列車計画への技術支援』等、8項目の取り組み(eight-fold initiative)を通じ、両国関係強化を図ることで合意しました。
首相に随行した日本代表団とインド側代表との間で、日本が向こう5年間にインドの情報技術(IT)専門家10万人を受け入れ、日本語の習得を支援する計画も話し合われたようです。
対日貿易額7位に後退、中国3位に浮上
インドが1998年にPokhranで核実験を行って以来、両国関係は冷却し、インドの輸出貿易相手国中に占める日本の順位は1993-96年の間の2位から、2002-04年の間の7位に後退しました。その間に中国の順位は7位から3位に浮上しています。
対日IT輸出52%アップ
しかし、インドの日本向け情報技術(IT:ハードウェア/ソフトウェア/サービス)輸出は、2003-04年に、前年比52.45%の急成長を遂げ、日本の国別順位は3位に浮上、新たな形の協力関係も醸成されつつあります。
SEAnewsは1997年以来、インド経済の動向をレポートして来ましたが、今年も自由化の動向や対外政策に照準を合わせより詳細な報告を行ってまいります。
2006年1月 編集兼発行人 村上厚