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自由化の流れは加速
タイとFTA交渉
インドは2005年3月末までにタイとの自由貿易協定(FTA:free trade agreement)交渉を妥結することを目指し、2005年1月に枠組み協定(Framework Agreement)品目リストを交換するもようです。首尾良く交渉が妥結すれば、同年4月1日から82品目の関税を先ず50%、その後75%カットし、最終的に全廃する予定です。
全てのFTAをCECAに転換
インド政府はまた、全ての“特恵貿易協定(PTA:preferential trade agreement)”及びFTAを“包括的経済協力協定(CECA:comprehensive economic cooperation agreement)”に転換する方針を決めたようです。
CECAはオープンエンド
インド政府筋の説明によると、PTA/FTAには一般に二国間関税率の引き下げが含まれ、これに対してCECAは、外国直接投資(FDI)規則の緩和、投資や所得に対する免税措置、査証条件の緩和等をカバーしており、サービス貿易もCECAの対象に含まれます。CECAは、オープエンドで、二国間の持続的関係拡大を可能にし、協定コンポーネントを継続して調整することもできますが、PTA/FTAの使命は限定されています。このためCECASはPTAやFTAに比べ多国間会議の席で売り込み易く、世界貿易機関(WTO)の懸念を呼ぶ恐れもないそうです。
34カ国と貿易交渉準備
インドがFTAもしくはCECAを既に締結、もしくは締結を準備している国は34ヵ国にのぼり、この中には中国、日本、シンガポール、アラブ首長国連邦等、インドのトップ貿易パートナー10カ国が名を連ねています。Kamal Nath商工相によると、インドの将来の貿易の60%は、FTAを通じて行われることになるそうです。
投資/製造拠点から調達市場に
インド政府がFTAやCECA締結に本腰を入れる中で、投資地や製造拠点としてばかりでなく、各種部品や資材、小売り製品の調達市場としてインドが注目され始めています。またインド企業によるASEAN諸国、さらには中国における購買活動も活発化するものと予想されます。
日印関係強化に道筋つけた小泉/シン会談
こうした中で、小泉純一郎首相も2004年11月29日、インドのManmohan Singh首相と学際グループ(MDG:multi-disciplinary group)を設け、取り分け貿易/投資/情報技術(IT)に照準を合わせ両国間の経済協力強化を図ることで合意しました。
インドの政治・経済は今後なお紆余曲折が予想されますが、国際化と自由化の流れは一層加速、日本との関係も拡大強化されるものと見られます。SEAnewsはこうした動向をモニターし、迅速に読者にお伝えしてまいる所存です。
2005年1月 編集兼発行人 村上厚
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