1997-03-31 ArtNo.9934
◆<馬>今年の経済成長率7.8-8.2%:中央銀行
【クアラルンプル】マレーシア経済は今年は安定化し、7.8-8.2%の成長を遂げる見通しだ。
マレーシアの中央銀行が28日発表したところによれば、マレーシアの今年の国内総生産(GDP)は、経済開発協力機構(OECD)や新興工業国(NICS)の安定した成長と世界貿易の拡大により恩恵を受ける。懸念材料では世界的な電子業況の回復の度合いとマレーシアの輸出競争力が挙げられ、好材料としては予想されるマレーシアへの投資の拡大が、GDPの成長に影響を及ぼす見通しだ。
投資の拡大は輸入の成長を加速、経常収支の赤字を再び拡大させる可能性が有る。今年の予想投資総額は1206億Mドルと、国民総生産(GNP)の44.9%に、貯蓄は17.6%増の1058億MドルとGNPの39.4%に達する見通しだ。
経常収支赤字は昨年の130億Mドルから148億Mドルに拡大するが、GNPに対する比率は昨年並みの5.5%にとどまりそうだ。商品貿易収支黒字は72億Mドルと、僅かに縮小、サービス収支赤字は190億Mドルのレベルを維持するものと見られる。
製造、建設、サービスの3部門が引き続き経済を牽引、それぞれ今年は11%、13%、9%の成長が見込まれる。
基本政策の見直しと、新作略の立案を通じて新たな段階の経済開発が目指される。目下マレーシアはマルチメディア・スーパー・コリドーの開発に取り組んでいるが、次の段階の工業化にはエレクトロニクスと情報技術(IT)が鍵となる。中央銀行は金融インフラを補強することを通じて、21世紀のマレーシアの工業化を支援する。
中央銀行が懸念する材料の1つは、資産インフレで、昨年一部の土地付き住宅は30%の値上がりを見た。中央銀行は4%以内にインフレを抑えることを目指しているが、昨年のインフレ率は3.5%にとどまった。
この他の今年の課題には投資/貯蓄ギャップの改善、経常収支赤字の縮小、海外投資に伴う資本勘定の不均衡是正が含まれると言う。(ST,BT,NST,STAR:3/29)
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