1997-03-29 ArtNo.9916
◆<馬>外相代行、シンガポールとの関係凍結報道を否定
【クアラルンプル】マレーシアのアバン・アブ・バカル総理府相兼外相代行は27日、政府がシンガポールとの関係凍結を閣議決定したとの報道は不正確であるとの声明を発表した。
僅か4パラグラフの同声明によると、アンワル副首相により主宰された26日の閣議では、シンガポールのリー・クアンユー上級相のジョホール州に対する不利益な発言及びその後のシンガポール政府の対応に関して討議され、マレーシア政府は目下これらの問題の2国間関係に対する影響を研究している。しかしシンガポールとの関係を凍結すると言った決定は何等なされなかったと言う。 しかしサバルディン・チク芸術文化観光相は、この日依然として、「マレーシア政府の26日の閣議決定は、シンガポールとの体育/文科交流にも適応され、両国の観光促進合同会議は政府が新たな決定を下すまで無期限に延期される。
マレーシア政府はリー上級相の謝罪を受け入れたとは言え、正常な2国間関係が回復するには時間を要する。シンガポールのジャヤクマール外相は、正常な関係の回復には時間がかかるとのマレーシア政府の声明に、驚きを表明したが、こうしたシンガポール指導者の態度はマレーシアを翻弄するもので、誠意が感じられない」と指摘した。
またナジブ教育相は、「両国指導者の相互訪問、社会活動、体育・文科交流等は閣議決定の影響を受ける。両国関係は、状況が改善したとマレーシア政府が判断した時点で正常化されるだろう」と語った。
東京でBBCのインタビューを受けたアブドラ・バダウィ外相は「閣議決定に関しては何も聞いていない」と、コメントを控えたが、その後ラジオ・テレビ・マレーシアのインタビューを受けた際には「マハティール首相は、アンワル副首相からマスコミに報じられた様な閣議決定はなされなかったとの報告を受けた」と語った。
一方、シンガポール外務省スポークスマンはこの日、マレーシア政府がシンガポールとの関係凍結を決めたとの報道やこれを否定するマレーシア外相代行の声明、そして訪日中のマハティール首相の談話に関して、シンガポールは事態の進展を注視しており、マレーシアとの緊密な関係が維持されることを引き続き希望していると語った。(ST,LZ:3/28)
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