1997-03-29 ArtNo.9913
◆<星>第2石化コンプレックス、3分の2の稼働率で操業開始
【シンガポール】シンガポールの第2石油化学コンプレックス(PCS2)は、下流部門主要プラントの工事遅延から、来月に予定される操業開始時の稼働率は3分の2のレベルにとどまる見通しだ。
アイル・ムルバウ島に年産20万トンの高密度ポリエチレン(HDPE)工場を建設中のフィリップス・ペトローリアム・シンガポール・ケミカルズ(PPSC)は、建設工事上の問題から、操業開始の時期が、当初予定の4月半ばから7月に延期された。PPSCのAlan Hammerly重役(MD)によると、新工場が稼働すれば、年産19万トンの第1工場と合わせて、同社の生産能力は倍増、PCS2の年間50万トンのエチレン製品の内の20万トンを引き取るはずだった。しかし同新工場の稼働が遅延したことから、PCS2の稼働率は最初の3ヶ月は、3分の2にとどまると言う。
今週火曜にはインドのリライアンス・インダストリーズの年産220万トンのナフサ・クラッカーが稼働。世界最大規模を誇る同プラントでは年間75万トンのエチレンと同36万5000トンのプロピレンが製造される。Hammerly氏によれば、今年第3四半期にはクウェイトでも新プラントが稼働、また韓国プラントはそのボトルネックを克服、フル稼働態勢に入る。このためPCS2は今年後半にはさらに厳しい競争に直面、マージンは一層縮小する見通しと言う。(BT:3/27)
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