1997-03-25 ArtNo.9868
◆<星>製油所、中国の輸入削減で第1四半期の業績ダウン
【シンガポール】シンガポールの石油精製業界は、中国が今年初に石油製品の輸入を削減したため、第1四半期業績の不振が予想され、向こう1~2ヶ月の見通しも不透明になっている。
業界消息筋によれば、中国当局が輸入許可を取り消し、国内製油所への発注を指示したことから、シンガポールでは石油製品が値下がり、例えばディーゼル油はバレル当たり32米ドルから25米ドルに下降した。バレル当たりの精製マージンも一般製油所では昨年末の1.5~2米ドルから0.50~1米ドルに下降、ハイドロクラッカーや触媒分解装置を備えた複合製油施設では、3米ドル以上から約2米ドルに縮小した。昨年末は厳冬に助けられ、好マージンを享受できたが、夏期の到来に向けスポット需要の下降も予想されている。
しかし石油商社の幹部は、「大災害を予想するものはなかろう」と指摘した。それによると原油価格が値下がりしつつ有り、製品価格が現状を維持するなら、製油業界は依然利益を享受できる。韓国、日本の製油業界のメンテナンスに伴う操業停止が予想される上、中国も早晩市場に復帰する見通しと言う。(BT:3/24)
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