SEAnews 1997-03-24 ArtNo.9853

【シンガポール】当地証券会社のアナリストらは先週発表された2月の貿易統計が予想外に不振だったことから今年第1四半期の成長予測を平均3.8％に1.2％ポイント下方修正した。しかし通年の成長予測は平均7％と0.1％ポイント引き下げたにとどめている。
これら11人のアナリストの今年第1四半期の予測成長率は3～4.6％と、いずれも昨年第4四半期の5.8％の成長率を下回っている。大部分のアナリストは2月の国産非石油製品輸出の僅かなプラス成長を予想していたが、先週発表された統計数字は7.9％下降、アナリストらを驚かせた。ちなみに昨年第1四半期の国内総生産(GDP)は好調な11.5％の成長を見ており、このことも今年第1四半期の成長鈍化につながった。しかし通年のＧＤＰ成長見通しについては、証券会社13社中6社が不変、6社が下方修正、ＪＰモルガン1社が上昇修正している。野村総研幹部は需要拡大の兆候と低い在庫水準から下半期には、在庫レベルを引き上げる動きが生じると予想、アライアンス証券アナリストはＳドルの対米相場軟化に伴う輸出拡大や昨年の製造業投資の19％の成長を指摘、これまで通り8％の通年の成長見通しを維持している。野村のアナリストはまた金融部門の好調から見ても、全般の経済状況はそれほど悪くないと付言した。(BT:3/22)