1997-03-22 ArtNo.9838
◆<星>国産非石油製品輸出4ヶ月連続マイナス成長記録
【シンガポール】シンガポールの2月の国産非石油製品輸出は名目価格で昨年同月比7.9%減の55億Sドルにとどまり、昨年11月以来4ヶ月連続マイナス成長を記録した。
国産非石油製品輸出はシンガポールの輸出指向産業に対する海外の需要動向を測定する指標とされるが、今週初めロイター社のインタビューに対して平均1.5%の成長を予想していたアナリストらは、予想以上に不振な統計数字の発表を受け、いずれも慌てて今年第1四半期の経済成長予測を下方修正した。某アナリストは過去10年来の最低を記録した昨年第3四半期の3.2%を下回る成長率を予想している。またこの日はST紙の株価指数も25.13ポイント・ダウンした。
貿易開発局(TDB)は、国産石油製品輸出の3分の2を占める電子製品、取り分け半導体に対する国際需要の低迷が、不振の最大の原因としている。ディスク・ドライブやコンピューターから成るデータ処理機器の輸出は11%下降し、16億2000万Sドルにとどまった。国産非石油製品の対米輸出は11.7%減の15億Sドル、対欧輸出は7.2%減の11億Sドル、対マレーシア輸出は1.7%減の6億8300万Sドルを記録、日本と台湾向け輸出も、それぞれ23%と17.8%の下降を見た。
国産非石油製品輸出の7.9%の下降はエコノミストらの予想を微塵に粉砕、HGアジアのアナリストは「全く誤算だった。輸出成長の下降は電子製品、取り分けディスク・ドライブの値下がりを反映している。需要そのものは変わっておらず、生産量も下降していないが、価格が50%ダウンした」と指摘した。国産非石油製品輸出は昨年11月の-8.8%以来、12月の-0.5%、今年1月の-3.1%と、マイナス成長が続いている。しかしエコノミストらは依然として、今年下半期には電子市況は回復すると予想した。
TDBの統計によれば、2月の国産石油輸出は4.8%減の12億Sドル、再輸出も4.3%ダウンした。この結果総輸出は6.1%減の116億Sドルにとどまり、往復貿易も243億Sドルと、8.6%縮小した。(ST,BT,LZ:3/21)
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