1995-01-11 ArtNo.98
◆<馬>タピス原油価格、過去5カ月以来の最高を記録
【シンガポール】アジアの石油精製業者が灯油、ディーゼル油の好需要に応じるため原油処理を急増させたことからマレーシア産タピス原油の価格が過去5カ月以来の最高水準に達している。
先週日本に対して1バレル18.40米ドルでタピス原油を売りつけた国営石油会社ペトロナスは9日には1バレル18.70~18.80米ドルで対日追加売り込みを図った。タピス価格がこれ以前に同水準をマークしたのは昨年8月のこと。石油トレーダー筋によると北アジア及び南アジアの需要は共に極めて強く、日本と韓国で暖房用灯油需要が急増すれば、シンガポールではジェット燃料価格が先月半ばの1バレル22.15米ドルから22.90米ドルに値上がりしている。こうした傾向には旧正月休暇を前にした中国市場の需要増も影響している。シンガポールにおける軽油価格は他の地域における価格変動を余所に1バレル22米ドルのレベルで安定を保っている。タピス同様、硫黄成分の少ないオーストラリア、パプアニューギニア、インドネシア産原油の価格も堅調だ。トレーダーらはアフリカ産原油の大量供給でタピス原油が値下がりすることを期待しているが、むしろ冬季後半の天候や中国の需要動向に左右されそうだ。アジア市場の灯油及び軽油価格は、例年は製油業者が冬季の終了に備えて在庫の削減を図るため1月中旬から値下がりする傾向が有ったが、厳冬の持続と中国、インド方面の根強い需要から今年は高値が長引く可能性が予想されている。(NST:1/10)
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