SEAnews 1997-03-13 ArtNo.9731

【クアラルンプル】マレーシアのアブドラ・バダウィ外相は12日、シンガポールのクアラルンプル駐在バヌ・ゴパラ・メノン高等弁務官代理を召喚、ジョホール州に不利益を及ぼすリー・クアンユー上級相の発言を即刻取り消し、公開で謝罪するよう求めた。
この日緊急記者会見を催したアブドラ外相は、マレーシア政府は定例閣議で同問題を検討したが、両国の友好関係やデリケートさを全く配慮せぬリー氏の発言に全閣僚が唖然とするとともに、憤りを表明、シンガポール政府に即刻発言の取り消しを求める方針を決めたと語った。
リー氏は野党工人党(WP)の前国会議員候補タン・リャンホン氏の名誉毀損問題を巡る法廷宣誓書の中で、身の安全のためにシンガポールからジョホール・バルに逃避したとされるタン氏に触れ、「彼は(ｼﾝｶﾞﾎﾟｰﾙで)身の危険を感じたと言うが、銃撃、強盗、カージャックで有名なジョホールは生命の安全に不安を抱く者が赴くところではない」とコメントしていた。
閣議後記者の質問に応じたナジブ教育相は、「我々は関係発言をマレーシアを嘲笑する傲慢なものと考える。この種の傲慢な発言の背後には、マレーシアに対する蔑視が存在するものと思う」と語った。
またシンガポール政府と問題を協議する考えはあるかとの記者の質問に、アンワル副首相は、「それはジョホール州のアブドル・ガニ首席大臣レベルの問題だ」と答え、ＡＳＥＡＮの友好関係に影響を及ぼすか否かについては、「シンガポール政府の処理の姿勢如何にかかっている」と述べた。(ST,LZ:3/13)