1997-03-11 ArtNo.9694
◆<星>電子航空券販売システムが旅行代理店の脅威に
【シンガポール】当地旅行代理店業界は電子航空券販売システムの登場で脅威に晒されている。
旅行代理店は航空券の販売から最大9%のコミッションを得ており、その総額は年間1億2000万Sドルにのぼるが、航空会社が電子航空券販売システムを通じたダイレクト・セールに乗り出したことから、そのパイが今後縮小するものと予想されている。
シンガポール航空(SIA)は、目的地1カ所のみの単一フライト・チケットを対象としたインターネットによる航空券販売を今年第3四半期から導入する他、第4四半期にはマレーシアへのシャトル便の利用者のためにクレジット・カードで航空券が購入できるチケッティング・マシーンをチャンギ空港に据え付ける。
一方、クレジット・カード会社のビサ、マスターカードは地場銀行と共同でインターネットを通じた航空券の販売システムをこの4月に導入する。
世界の航空会社は、平均20%とされる旅行代理店へのコミッションを含むディストリビューション・コストの削減に努めており、マレーシア航空(MAS)は来月導入する航空券自動販売機により、この種のコミッションを最大8%節約できるものと見ている。
旅行代理店業界は、複数の旅行先への航空券の販売はこの種のシステムでは処理困難で、また航空券の大量販売等では航空会社は依然として旅行代理店の助けを借りざるを得ないと比較的楽観している。しかし業界観測筋は専ら航空券の販売と予約業務を手がけている10~15%の代理店は生存できなくなると予想している。(BT:3/10)
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