1995-03-23 ArtNo.965
◆<星>造船市況低迷持続、タンカーの大修理は期待外れも
【シンガポール】シンガポールの造船大手3社は94年度決算で大幅な減益を記録したが、今年も厳しい経営を強いられそうだ。
これら3社は、いずれも70年代半ばに建造された大型タンカーの第4次特別検査で、市場が持ち直すと期待している。5年ごとの特別検査は1隻につき数百万Sドルのビジネスにつながり、合計7000万重量トン(dwt)にのぼる大型タンカーの第4次特別検査により、シンガポールも恩恵を被るはずだ。しかし、多数の大型タンカーが解体されつつあるのが現状で、こうした期待は外れる恐れが有る。昨年は42隻、合計1080万dwtの超大型油送船が解体されたが、その大多数が第4次特別検査を控えたタンカーだった。鋼材需要が大きいことも手伝って、大型タンカーの解体率は今年も高いものと予想される。解体が増加し、新造船がなければ、タンカーの供給が減り、海運料金は上昇する。そうなればタンカー市場は改善し、タンカー所有者は第4次特別検査を選択するようになるかも知れないが、それは先のことで、短期的には、解体の増加は修船と第4次特別検査の減少を意味する。目下、資金難のタンカー所有者は、休業もしくは古いタンカーの解体を行っている。修理に出されるタンカーはメンテナンスが良好なもので、修船収入はそれほど期待できない。今年、修船市場は回復するかも知れないが、大幅な改善は期待できそうにない。海運料金は若干回復したが、これ以上の改善は望み薄と言う。(BT:3/22)
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