1997-03-06 ArtNo.9631
◆<星>IPC、韓国星宇に6%シェア売却
【シンガポール】韓国子会社の財務危機やオーストラリアの元子会社のアフター・サービスに対する苦情等で揺れるシンガポールの地場上場コンピューター会社IPCは4日、増資後発行株式の6%に相当する新株6600万株を1株60Sセント、合計3960万Sドルで韓国企業Sungwoo(星宇)グループに売却、後者の支援下に韓国事業の再建を図ると発表した。
IPCはこれ以前に韓国の子会社IPCコーポレーション(コーリア)に対するエクスポージャーは4550万Sドル、内訳は、払い込み資本650万Sドル/未収納金1500万Sドル(韓国子会社のIPCに対する債務)/偶発債務2400万Sドルで、改めて支払いを必要とする潜在債務は2400万Sドル(偶発債務)のみと発表していた。
IPCのパトリック・ギャム会長によると、星宇はIPCが先頃権益を手に入れたドイツの通信機器メーカーHagenukの製品の韓国における契約製造と流通業務を引き受ける。このため1300万マルク(S$1105万)を投じて今年第3四半期までに必要な製造施設を設け、今年末までに操業を開始する。新工場はセル式電話機を年間50万台製造する。星宇はその後IPC製品/ソルーションの韓国における流通を手がけるとともに、IPCのために資材調達も引き受ける。
IPCは別に3社と韓国におけるIPC製コンピューター及びPOS(ポイント・オブ・セール)製品の流通業務に関する交渉を進めており、この点に関しては追って詳細が発表される。
IPCの財政基盤は韓国子会社の財務危機の影響は受けておらず、今回新たな戦略パートナーを得たことで一段と強化されたと言う。
IPCの6%の権益を市価を17%上回る値で買収することに同意した星宇は傘下に子会社10社を有する年商15億米ドルの新興コングロマリットで、これらの子会社には韓国証取上場のHyundai Cementが含まれている。(ST,BT,LZ:3/5)
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