1995-01-11 ArtNo.96
◆<星>検察当局、国立大学前講師等の法廷侮辱罪を表面的に立証
【シンガポール】国立シンガポール大学(NUS)のクリストファ・リングル前客員講師がインターナショナル・ヘラルド・トリビューン(IHT)アジアに寄稿したアジア諸国の司法制度に関する一文を巡り9日に開かれた公判でシンガポール検察当局は、5人の被告のシンガポール法廷侮辱罪を表面的に立証することに成功した。
第1被告のリングル前講師の欠席のまま行われたこの日の公判で被告側弁護士は関係文書にはどこにもシンガポールを明示した箇所はないと主張したが、検察側は「政府に従順な法廷を利用して野党議員を破産に追い込んだ」とする一節は明らかにシンガポールに関するもので、シンガポールの司法の公正、独立、尊厳を著しく毀損するものと反論した。ゴー・ジュンセン裁判官は検察側の以上の主張を認め、第2被告のマイケル・リチャードソンIHTアジア編集長に17日に再開される法廷で反対尋問に応じるよう命じた。同公判ではリングル前講師とリチャードソン編集長の他、IHT発行人のリチャード・マクリーン氏、当地ディストリビューターのインターナショナル・ヘラルド・トリビューン・シンガポール及びシンガポール・プレス・ホールディングズが法廷侮辱罪に問われている。(ST,BT,LZ:1/10)
|