SEAnews 1997-02-28 ArtNo.9557

【シンガポール】シンガポール政府が昨年5月に導入した不動産投棄抑制措置は、一等地住宅の二次市場に対して、これまでに予想されたよりも一層深刻な打撃を与えたようだ。
シンガポール不動産鑑定士協会(SISV)の報告によれば、ディストリクト9で取り引きされた中古住宅の価格は、1996年4月から今年1月の間に平方フィート当たり平均938Ｓドルから819Ｓドルに14％下降、ディストリクト11(平均S$635)では一層大幅な19％の下降が見られた。ディストリクト10(平均S$1038)では4％の値上がりが見られたものの、アナリストは同地区ではフォー・シーズン・パーク・コンドミニアムが平方フィート当たり2000Ｓドル台で取り引きされ、平均価格を押し上げたとしている。
リチャード・フー蔵相は先週末、投機抑制措置が奏功し、トップ・レベルの住宅価格が14－15％軟化したと語り、優良不動産の価格は安定していると観測していた業界筋を驚かせたが、ＳＩＳＶの統計数字、取り分けディストリクト11のそれは、フー蔵相の挙げた数字を上回る深刻な状況を示している。
取引件数も投機抑制措置以前に比べ二次市場では65－75％、新築住宅市場では80－95％の落ち込みを見ている。
とは言え新築住宅の取引価格は、ディストリクト9では1459Ｓドルに18％、ディストリクト10では1242Ｓドルに10％、それぞれアップした。しかしディストリクト11では843Ｓドルに12％下降している。(BT:2/27)