1997-02-26 ArtNo.9528
◆<星>メディアGXのクリエイティブへの脅威は未知数
【シンガポール】米国企業Cyrixがマルチメディア機能を備えた新マイクロプロセッサー・チップを発表したことから、シンガポールのサウンド・カード・メーカー、クリエイティブ・テクノロジーの株価が衝撃を受けているが、BT紙のコラムニストは新製品メディアGXのクリエイティブに対する実際の脅威は未知数と評している。
それによるとコンパックはメディアGXチップ搭載の格安(US$999)PC(パソコン)を売り出す計画だが、同PCはまだPCを保有していない層をターゲットにしており、PC市場の拡大につながる可能性は有るものの、その影響は限られている。
クリエイティブの製品は70%が小売り市場に向けられており、同売上の大部分はアップグレード需要によるものである。従ってクリエイティブは向こう2、3年は同市場におけるシェアを維持できる。また同市場のユーザーはますますハイ・クオリティーを要求するようになっている。
更に基本的な問題としてメディアGXの既存ソフトウェアとの互換性が挙げられる。これまで非クリエイティブ製カードではゲームが動かないと言った苦情も耳にされており、またライセンスなしでは、サウンド・ブラスターのスタンダードは達成困難とされる。
また何よりもメディアGXがマイクロプロセッサーとして、クリエイティブ製品がベースとするインテル・プロセッサーの市場独占を覆す可能性は大きくない。
クリエイティブのようなワン・プロダクツ・カンパニーは一般に短命とされるが、同社のバランス・シートは依然健全で、97年6月期には、過去最高の利益計上も見込まれる。従って長期的見通しはとにかく、その時には株価は急騰するはずであり、投資家は6ヶ月後に判断を下しても遅くはないと言う。(BT:2/25)
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