1997-02-26 ArtNo.9524
◆<星>専門委員会、新国際貿易戦略提起
【シンガポール】貿易開発局(TDB)幹部と民間業界の代表から成るハイレベルな国際貿易委員会(COIT)は24日、シンガポールを国際貿易のセンターとするための戦略を発表した。
COITは新戦略の柱として、1)シンガポールが国際貿易に取り組む方法論の転換、2)支援インフラや支援サービスの強化、3)世界市場における国際貿易センターとしての総合的競争力を強化するための機構内協力、の3点を掲げるとともに、4領域の輸出--即ち1)商品/サービス輸出、2)再輸出/中継輸出及びオフショア・トレーディング、3)国内消費のための輸出(例えば外国人がシンガポールで利用する展示会/医療/教育等のサービス)、4)海外におけるシンガポールの商業的プレゼンスを通じた輸出(即ちリージョナライゼーション)--を強化する必要を強調している。
COITのロバート・チュア会長及びTDBのデービッド・チン副局長(副CEO)がこの日語ったところによれば、商品/サービス輸出の中期的に維持可能な成長率は8~10%と見られる。 COITのメンバーはこうした目標を実現する上から、シンガポールが強味とする情報技術(IT)やビジネス経験を梃子に、シンガポールを電子取引のセンターにすること、米国、欧州、日本等との間の流通業務や中継貿易のための港湾/電子リンクの確立、国際貿易のパートナーとしてシンガポールを売り込むこと、地元業界の中核企業を世界的なプレーヤーに仕立てること、TDBと観光局(STPB)が共同でシンガポールを国際会議展示センターとして販促すること、総合的な電子取引ネットワークを構築すること、総合的人材資源開発プログラムの立案、途上国市場等の開拓に際しての政治的リスクをカバーする安全装置の構築、等を提案した。
既に世界銀行傘下の多角的投資保証機関(MIGA)のメンバー資格取得が図られており、これによりシンガポールを拠点とする企業は国際プロジェクトの政治的リスクから保護され、財政基盤も強化される。またTDBは、直ちに1)国際貿易関連のIT開発の促進、2)国際展示センターとして環境整備、3)貿易センターとしてのシンガポールのマーケッティングに着手する。これらに関連した具体的プロジェクトは追って発表されると言う。(ST,BT,LZ:2/25)
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