1997-02-25 ArtNo.9509
◆<星>国際貿易委員会、輸出振興戦略立案
【シンガポール】シンガポールの商品輸出の世界順位は1986年の20位から1995年の13位に、サービス輸出の順位は86年の17位から94年の12位に浮上したが、先進国と途上国、取り分けマレーシアやタイ等の新興経済体(NEE)との厳しい競争に晒されている。
貿易開発局(TDB)と民間業界の代表23人から成る国際貿易委員会(COIT)は、先週金曜発表した報告書の中で以上のように指摘するとともに、世界的な貿易自由化の波に如何に乗じ、如何に乗り切るかが課題と述べている。同委員会はこうした挑戦に対応する3戦略を追って発表する。COITはシンガポールの国際貿易戦略に見直しを加えるため昨年1月に設立された。
COIT座長を務めるACEダイキンのロバート・チュア会長とTDBのバリー・デスカー局長及び南洋理工大学(NTU)の卓天賜(Toh Thian Ser)准教授がこの日共同記者会見し、明らかにしたところによれば、世界の商品貿易に占めるシンガポールのシェアは上記の期間に1.1%から2.3%に、サービスは1.3%から2.2%に倍増した。しかし、シンガポールは香港、台湾、韓国等の新興工業経済群(NIES)だけでなく、マレーシア、タイ、インド、中国等のNEE諸国の追い上げを受けている。同期間にマレーシアの商品貿易の国際順位は31位から19位に、タイは41位から22位に上昇した。
報告書はシンガポールの強味としてインフラ、社会・政治的安定、税制奨励、ビジネス重視政策、紛争仲裁制度を挙げるとともに、主要市場及び電子産業への依存の拡大、多国籍企業の経済支配を指摘している。国産品輸出に占める電子関連製品のシェアは10年前の28%から1996年の58%に拡大した。また今後は、域内競争の加熱、国際貿易投資の自由化、サービス/情報技術(IT)貿易の拡大が予想されると言う。(ST,BT,LZ:2/24)
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