1995-03-21 ArtNo.948
◆<比>5.1%の成長に関わらず国民の45%が貧困ラインに
【マニラ】多年にわたる沈滞を抜けだしフィリピン経済は昨年5.1%の成長を実現したものの、大部分の国民は依然貧困ラインに有り、成長の恩恵を享受していない。
ラモス大統領は98年の任期満了前に国民中の貧困者の比率を20%に引き下げることを公約しているが、社会経済学者らは6500万人の国民の45%が貧困ライン以下の生活に甘んじているものと予想している。大統領は福祉政策や過激な富の再分配を敢えて行わず、緊縮財政と農村地域のインフラ開発によりその目標を達成する計画だ。短期間に電力危機を解決した同大統領は同時に通信、金融、海運市場を開放によりサービス業の競争力を強化、またマニラ郊外に大規模な工業区を開発、これらを梃子に外資誘致を促進し、その恩恵を農村部にまで波及させる計画のようだが、左右の反対勢力は国家を切り売りする行為と非難している。(LZ:3/20)
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