SEAnews 1997-02-18 ArtNo.9422

【シンガポール】米国拠点のグラフィック・チップ・メーカー、Ｓ3インクは同社の新製品SonicVibesがＰＣ(ﾊﾟｿｺﾝ)オーディオ市場に革命的変化を招来するものと見ている。
Ｓ3のゲイリー・ジョンソン重役(CEO)によると、ＰＣＩ(ﾊﾟﾘﾌｧﾗﾙ･ｺﾝﾎﾟｰﾈﾝﾄ･ｲﾝﾀｰｺﾈｸﾄ)バス対応した初のシングル・チップ・ソルーション、ソニックヴァイブズはＩＳＡ(ｲﾝﾀﾞｽﾄﾘｰ･ｽﾀﾝﾀﾞｰﾄﾞ･ｱｰｷﾃｸﾁｬｰ)バス対応の既存製品に比べ格段に高速で良好なオーディオ・パフォーマンスを発揮する。しかも1万ユニット当たりの単価は30米ドルと既存サウンド・カードの250米ドルを遥かに下回る。目下主要顧客が新製品をテスト中で今年第2四半期には結果が出そろう。Ｓ3はクリエイティブやアズテックと競争するよりは、ハイエンドＰＣオーディオ・マーケットに照準を合わせている。
Ｓ3はまたマザーボード・ソルーションの研究を進めており、向こう2～3年間にはウェーブテーブル機能はマザーボードに、3Ｄオーディオ機能はアドイン・カード領域に、それぞれ移行するものと見られる。
サウンド／モービル製品収入が今年の同社予想売上6億1000万米ドルの10％を占める見通しで、またホーム／ビジネス・アプリケーションに牽引され、3Ｄグラフィックが主流に乗るものと見られる。3Ｄ市場は昨年の800万ソルーションから今年は3倍の2500万ソルーションに成長が見込まれ、Ｓ3は少なくとも50％のシェア確保を目指している。昨年同社は500万ユニットを出荷し、同市場をリードした。中核ビジネスのマルチメディア・アクセラレーター・チップに関しては、世界市場の34％のシェアを占めトップに立っている。
アジア大平洋地域は昨年の年商4億6540万米ドルの半ば以上を占めたが、今年は同地域売上が3億米ドルを超える見通しだ。
ジョンソン氏はこのほど2000万米ドルのエクイティー・ファンドのプロモーションにシンガポールを訪れたが、特にサウンド領域における製造／エンジニアリング企業が同ファンドのターゲットとされている。同社は今年末までにシンガポールにセールス・サポート・オフィスを開設する計画と言う。(BT:2/17)