1997-02-12 ArtNo.9344
◆<星>諸コスト引き下げ多国籍企業引き留め:リー上級相
【シンガポール】シンガポール政府は賃貸料、公共料金、税、公益料金等を可能な限り引き下げ、多国籍企業の引き留めを図る。
リー・クアンユー上級相は10日自身の選挙区タンジョン・パガルにおける旧正月とハリラヤの祝賀会の席上、以上の政府の姿勢を明らかにした。それによると、今年は中米関係や域内経済の改善が見込めるため、国内経済も復調する見通しだ。しかし米ドルが安定もしくは軟化する中で、国内経済が順調な成長を遂げ、財政黒字も拡大すれば、Sドル・レートは引き続き高水準を維持、多国籍企業のシンガポールにおける営業コストも高めにならざるを得ない。こうした中で全国労働組合会議(NTUC)はそのメンバーや雇用主に一致協力して生産性を引き上げるよう呼び掛ける必要がある。欧米や日本の経済動向から見てシンガポールの今年の経済動向は依然楽観できる。また中国経済も良好が予想され、このことは中国と密接な貿易/経済関係を結ぶ東亜諸国の経済成長率を1~2%ポイント高めるものと見られる。そんなことで国内経済は昨年を上回る成長を遂げるものと期待されるが、マレーシアとインドネシアは一層良好な経済成長を実現する見通しだ。
マレーシアとインドネシアは先進的なインフラ、空港、コンテナ港、マルチメディア産業、その他の外資誘致条件の面で既にシンガポールに追いつきつつあり、シンガポールは生産性の向上やコストの引き下げを通じて競争力を一層強化せねばならない。とは言え、隣国のこうした繁栄は、これらの国が政治的/経済的不安に陥るよりはましと言う。(ST,BT,LZ:2/11)
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