1995-01-11 ArtNo.93
◆<星>レバレッジ取引/ディリバティブ取引の監督強化:蔵相
【シンガポール】シンガポール政府は金融市場の健全な成長を促す狙いから、少ない保証金で多額な外貨取引を行ういわゆるレバリッジ取引(LFET:レバリッジド・フォーリン・イクスチェーンジ・トレーディング)やハイリスクを負うたディリバティブ(金融派生商品)取引の監督を強化する。
マサチューセッツ工科大学と南洋理工大学(NTU)が9日に共催した金融セミナーの席上、リチャード・フー蔵相が語ったところによれば、政府はこれまで一般投資家に外貨投資に際しては銀行、マーチャントバンクやシンガポール国際金融取引所(SIMEX)会員企業を通じて取引を行い、政府の規制を受けぬレバリッジ取引会社を利用せぬよう呼びかけて来たが、被害や苦情の訴えが跡を絶たぬため、目下この種の企業に対するライセンス制度の導入や規制措置を検討している。また金融管理局(MAS)はディリバティブ取引の健全な成長を促すため、この種の取引を手掛ける金融機関に内部監督制度の確立を義務づけるとともに、顧客にそのリスクを事前に書面で説明するよう指示している。一方、SIMEXは外貨投資家の便宜を図る上からオート・トレーディング・システムを利用した取引時間の延長を計画している。現在SIMEXの取引時間は午前8時から午後7時までだが、当面午前1時まで延長される見通しだ。(ST,BT,LZ:1/10)
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