1997-02-04 ArtNo.9288
◆<星>ASEANインクジェット・プリンター市場急成長
【シンガポール】昨年シンガポールに生じたインクジェット・プリンターのブームが今年はASEAN全域に拡散するものと予想されている。
市場調査会社データクエストの発表によれば、昨年初9ヶ月間のシンガポールにおけるインクジェット・プリンターの販売台数は12万2000台を突破、一昨年同期を61%上回った。内訳はシングルペン(カラー)7万2665台、カラー・プリンター4万9505台で、キヤノンが40.1%、ヒューレット・パッカードが39%、エプソンが17.9%、その他が3%のシェアを占めた。キヤノンは主要PC(パソコン)メーカーと提携し、その製品をPCにバンドル(ユニット販売の35%)して市場シェアを拡大したが、世界市場ではヒューレット・パッカードがインクジェット市場の60%のシェアを握っているとされる。
業界筋によれば、他のASEAN諸国に関してもインドネシアが100%、タイが85%、フィリピンが60%、マレーシアが40%の成長を見ており、ASEAN全域の今年のインクジェット・プリンター市場規模は3億米ドルと見込まれている。シンガポール市場は今年も少なくとも40%の成長が見込まれている。
キヤノン幹部はASEANにおけるユニット販売は200%、売上額は100%の成長が見込めるとしている。ヒューレット・パッカード幹部も、昨年は新たなPC(パソコン)技術が紹介されず、需要の伸びは緩慢だったが、今年はインテルのMMXマルチメディア・チップ、マイクロソフトのパームトップPC用ウィンドウズCE、デジタル・カメラ、DVD等の新技術が紹介されたため、インクジェット・プリンター需要の急増が見込めると語った。同氏によればシンガポールの需要は40%アップ、他のASEAN市場でもシングル・ペンやローエンド・カラー・プリンターの需要が高まると言う。
キヤノンは今年8種類、ヒューレット・パッカードは6種類の新製品を市場に投入する計画で、昨年4種類の新製品を発表したエプソンは先週レーザー・プリンターに勝る解像度を誇る、1440dpi(ドット・パー・インチ)の新製品を発表した。(BT:1/3)
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