1997-02-04 ArtNo.9287
◆<星>韓国子会社財務危機に伴う債務はS$2400万:IPC
【シンガポール】シンガポールの地場PC(パソコン)メカー、IPCコープのパトリック・ギャム会長は2日記者会見し、韓国子会社の財務危機に伴う潜在債務は最大2400万Sドルで、韓国紙が報じたような1億1400万~24400万Sドルには達しないと声明した。
それによるとIPCの韓国子会社に対するエクスポージャーは総額4550万Sドルで、その内訳は払込資本650万Sドル、未収納金1500万Sドル(韓国子会社のIPCに対する債務)、偶発債務2400万Sドルで、これらが全て回収不能になっても、改めて支払いを必要とするのは偶発債務2400万Sドルのみである。他は既に支払い済みのもので、帳簿上の引当処理で済む。
韓国子会社は1996年半ばから財務上独立した経営を行っており、IPCコーリアはIPCから製品を現金もしくは信用状により購入してきた。2400万Sドル以外に親会社IPCもしくはIPC役員が韓国銀行からの借り入れに関与したケースは存在しない。またIPCは一部に報じられたような韓国子会社を通じた自社PCと韓国製部品のバーター取引は行っていない。
韓国子会社の幹部が行方をくらませたことから、本社は目下調査団を韓国に派遣しているが、同調査団の報告を待って韓国子会社の処置を決める。いずれにしても今回の事件で同社が韓国市場から完全に撤退することはないと言う。
一方、同社は引き続きインターラクティブ・メディア・サービスやテレコミュニケーション等の情報技術(IT)ビジネスへの業務の多角化に努め、同社収益に占めるPCビジネスの比重は更に縮小する見通しと言う。(ST,BT,LZ:2/3)
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