SEAnews 1997-02-03 ArtNo.9272

【シンガポール】過去数ヶ月にわたる住宅不動産市場の不振は商業及び工業用不動産市場にも波及、都市再開発局(URA)が先週金曜(1/31)に発表した昨年第4四半期の不動産価格指数は軒並みマイナス成長を記録した。
民間住宅不動産価格指数は同期にマイナス2.7％、商業不動産はマイナス2.0％、工業不動産はマイナス0.5％、総合で2.5％の下降を見た。オフィス不動産価格指数は同期に過去4年来初めて1.8％のマイナス成長をマーク、店舗スペースは2.1％ダウンした。また工場スペースと倉庫スペースはそれぞれ0.4％と1.3％の落ち込みを見た。住宅市場では一戸建て住宅が最大の8.1％の落ち込みを記録、土地付き住宅は総じて4.4％下降した。コンドミニアムは第3四半期に続き、2.4％ダウン。しかしアパートは第3四半期のマイナス3.9％から2.5％のプラス成長を回復した。
不動産アナリストらによれば、昨年5月に導入された住宅市場における投機抑制措置の心理的影響が他の領域に波及したとも言えるが、より大きな要因は国内経済成長の鈍化と潜在的供給過剰で、例えば今年は昨年を75％上回る380万平方フィートのオフィス・スペースが市場に供給される。ナイト・フランクのアナリストは民間住宅市場は今年末に回復に転じる以前になお5～8％値下がりすると指摘、商業／工業不動産市場の軟化も持続すると予想した。(ST,BT,LZ:2/1)