SEAnews 1997-01-24 ArtNo.9150

【シンガポール】石油化学産業の不振が短期的に好転する見通しはなく、向こう数年間低調な市況が持続すると言う。
ペトロケミカル・コーポレーション・オブ・シンガポール(PCS)のオカダ重役(MD)が22日催されたプラスチック産業会議の席で語ったところによれば、石油化学産業は長期的には成長の潜在性を有するが、現在同業界は困難な時期を迎えている。オレフィン及びポリオレフィン製品のマージンは原料の値上がりで縮小している。向こう数年間に域内の生産能力は更に拡大されるため、見通しは引き続き暗いと言う。
メリル・リンチのジェネット・ヤン女史によると1997－99年の間は1991－93年同様景気の低迷期と見られる。プラスチックの主要原料とされるエチレンは1995年当時のトン当たり600米ドルから400米ドルに下降し、一層の下降が予想されている。
オカダ氏によれば、今日中東及びカナダの製品が最も価格競争力を備えている。こうした中でアジアの生産者が生き残る道は、旺盛な域内需要を効果的に汲み上げ、また新たな応用技術の開発に努めることで、今のところ途上国は大部分の応用技術を輸入に依存しているが、アジアの生産者は新たな使途と市場の開発を通じて、過剰設備を吸収することが可能と言う。(BT:1/23)