SEAnews 1997-01-20 ArtNo.9091

【シンガポール】ソニー・ディスプレー・デバイス(S)Pte Ltd(SDS)は9500万Ｓドルを追加投資し、トゥアス工場にＰＣ(ﾊﾟｿｺﾝ)モニター用17インチ・ブラウン管の製造ラインを増設する。これにより同社のシンガポールにおける累積投資は6億Ｓドルに達する。
ソニーの中村末広常務が17日明らかにしたところによれば、同社製ＰＣモニター用ブラウン管に対する需要に応じるため、同氏は昨年追加投資を行う方針を決めた。年間150万ユニットの製造能力を有する新ラインは今年4月の稼働が予定されている。これに伴い400人が新規雇用され、従業員総数は1500人に拡大する。大部分の製品はアジア市場に輸出され、一部が米欧市場に向けられる。昨年ＰＣ市場に進出したソニーはこれまでにＶａｉｏＰＣ30万台を販売したが、これに伴いＴＶ用ブラウン管の製造を手がけてきたＳＤＳも高付加価値のＰＣモニター・ブラウン管の製造に乗り出した。ＳＤＳは目下年間600万台のＴＶ用ブラウン管を製造、ソニーの最大のブラウン管製造拠点となっている。トゥアス工場の新生産ラインはソニー製ＰＣモニター・ブラウン管世界需要の15％に応じることになる。97年3月期年商は前年度の5億5000万Ｓドルから6億Ｓドルに拡大する見通しだ。
この日の記者会見に同席した、経済開発局(EDB)のフィリップ・ヨー会長はＳＤＳにイノベーション・デベロプメント・スキームの補助を申請するよう求めるとともに、シンガポールでも同社が強みとする技術領域への投資を一層拡大するよう呼び掛けた。(ST,BT,LZ,NST:1/18)