SEAnews 1997-01-18 ArtNo.9074

【シンガポール】クリエイティブ・テクノロジーは最近その多角化戦略を放棄し、強みとするサウンド・カード及びサウンド・チップに力を集中する方針を決めたが、こうした方針転換は3Ｄブラスター・グラフィク・カードやシェアビジョン・ビデオコンファランシング・パッケージ等の既存製品に影響を及ぼさざるを得ない。
シム・ウォンフー会長によると、同社は今後も引き続きこの種の製品のソフトウェアを開発して行くが、部品の調達や製品のマーケッティングの面でその戦略に修正を加える。例えばシェアビジョン技術を組み込んだアプリケーションはおまけとしてただで提供するが、3Ｄブラスター用グラフィック・チップは有料とする。これによりベスト・プライス・パフォーマンスの実現が目指される。
しかし最優先されるのは、サウンド・カード及びサウンド・チップの開発と市場の開拓で、インテルのＭＭＸチップの登場によっても同戦略は影響を受けない。その実マルチメディア・プロセッシングを加速するＭＭＸ技術はクリエイティブにとってプラスになる。ＭＭＸは依然としてサウンド・カードやサウンド・チップを必要とし、これらに取って代わることはできないと言う。サンノゼ拠点の調査／コンサルタント会社クリエイティブ・ストラテジーズ・インクを率いるTim Bajarin氏はクリエイティブの新製品ＡＷＥ64サウンド・カードを絶賛、64ポリフォニー・オーディオ・ストラテジーはマルチメディア・サウンドの新紀元を成すもので、クリエイティブは一連のベストセラー製品を発表することができるだろうと指摘した。
データプロ幹部はＭＭＸチップは価格に敏感なホーム・ユーザーを十分満足させることができるため、クリエイティブは大きな打撃を受けると語ったが、Bajarin氏は、「ＭＭＸにその機能を発揮させるにはハードウェアを追加し、ソフトウェアをセットする経験を必要とするが、クリエイティブはこうしたマルチメディアの全ての要素に関わる経験とノーハウを有する」と指摘した。(BT:1/17)