SEAnews 1997-01-16 ArtNo.9045

【シンガポール】ディスク・ドライブ(HDD)業界は急増する需要に供給が追いつかぬことから、注文予約を制限する動きを見せている。
クアンタムのデービッド・ロークリフ重役(MD)によれば、昨年第3四半期には依然過剰供給が目にされたが、クリスマス需要も手伝って第3四半期には供給逼迫が生じた。ウェスタン・ディジタルとクアンタムに関しては2ＧＢ(ｷﾞｶﾞﾊﾞｲﾄ)以下のローエンド製品に供給不足が生じているが、シーゲートはハイエンド製品の逼迫を伝えている。ウェウタン・ディジタルのヤスイ副社長(北部ｱｼﾞｱ大平洋地域販売担当)によると、在庫は低水準で、米国／アジア大平洋／欧州にわたる供給不足から同社のマレーシア／シンガポール工場は昨年第4四半期には製造能力の限界に達した。製造能力の逼迫は今四半期も持続していると言う。しかし業界観測筋は供給不足に関わらず、ＨＤＤ価格の下降を予想、メーカーもこうした傾向を認めている。
とは言えウェスタン・ディジタルは昨年第4四半期に前期を76％上回る6420万米ドルの純益を報告、シーゲートは同期に43％増の2億1260万米ドルを計上した。ウェスタン・ディジタルのチャック・ハガティー会長は12月の需要は極めて高く、こうした状況は向こう数四半期にわたり持続するだろうと予想した。同氏はこうした見通しの理由として今年はＰＣ(ﾊﾟｿｺﾝ)業界の堅調が予想され、その恩恵がＨＤＤ業界にも波及するためとしている。
市場調査会社データクエストによれば、ユニット販売を基準にした昨年の市場シェアはシーゲートが27.6％でトップ、以下クアンタムの22.1％、ウェスタン・ディジタルの18.4％、ＩＢＭの10.4％、マクスターの5.9％、その他の15.6％と続く。昨年の世界ユニット販売は前年比19％増の1億600万ユニットで、今年は18～25％の成長が見込まれている。(BT:1/15)