1997-01-14 ArtNo.9018
◆<星・馬>域内IT市場の成長を牽引:ガートナー会長
【シンガポール】シンガポールは東南アジアの情報技術(IT)産業を引き続きリード、マレーシアは新たな展望を提供している。
IT調査会社Gartner Groupの会長/社長/最高経営者(CEO)を兼務するマニュエルA.フェルナンデス氏が先週当地で語ったところによれば、昨年の世界のIT支出は14%、アジアのそれは20%の伸びを見たが、シンガポールでは更に大幅な34%の成長が記録された。シンガポールは明らかに域内IT市場をリードしており、信じがたい成果を達成している。シンガポールに次ぐスター、マレーシアでは、マハティール首相により提唱されたマルチメディア・スーパー・コリドー(MSC)を巡る興奮が渦巻いている。マイクロソフトやオラクルを呼び寄せるビジョンを掲げることが第1歩で、興奮無しに目標を達成することは難しい。次はビジョンを如何にマネージするかだが、マレーシアは極めて有望な1歩を踏み出したと言える。
IT産業が直面する課題の1つとして、CEOとIT専門家のギャップを挙げることができる。同ギャップは益々拡大しつつあり、経営陣の非現実的な期待とITチームが手にし得る不十分な予算が、情報主任(CIO)の寿命を平均17ヶ月に短縮している。第2は機動性で、現在IT支出に占めるオフィス外の支出は僅か3%に過ぎないが、2000年までに米国では30%、欧州では20%に拡大する見通しだ。第3はソフトウェアの寿命の短さで、現在開発中のソフトウェアの70%は2000年までに淘汰されるものと見られる。第4は多くのコンピューター・システムが1999年から2000年への年号の転換に対応できないこと。推定50%のアプリケーションがまだ同問題を克服していない。しかしながら最大の問題は人材で、適切な人材のリクルートと訓練、そして再訓練が、企業の勝敗の分かれ目になると言う。(BT:1/13)
|