1997-01-11 ArtNo.8988
◆<星>都市再開発局、フラートン・スクエアの契約見送り
【シンガポール】都市再開発局(URA)は9日、昨年7月に開発入札を募集、11月に締め切ったフラートン・スクエアの入札価格が同局の評価額を大幅に下回ったとして、契約を見合わせると発表した。
当地におけるネオクラシック建築の代表作とされるフーラートン・ビルの他、マーライオン・パークや、マーライオン・ベイに面した埋め立て地、マリーナ・ベイに望むウォーター・フロント・ランドがセットになったフラートン・スクエアの入札では、シティ・デベロップメントとリパブリック・ホテルズ&リゾーツ(いずれもホンリョン・グループ)が共同で5550万Sドルの1番札を入れていた。
URAは入札価格は、昨年11月14日の入札締め切り直前に政府が評価した当該地の市場価格を大幅に下回っていると述べ、当該地の再開発計画に目下見直しを加えているとしている。入札が募集された際、地元紙は落札価格は1億Sドル前後とのアナリストの予測とともに、シンガポール・リバー河畔の軟弱地盤における地下街の建設を義務づけた入札条件がデベロッパーを悩ませそうだとの業界筋のコメントを紹介していた。一番札を入れたホンリョン・グループの幹部は、URAの決定に落胆するとともに、地下街の建設とフラートン・ビルの改築の困難を指摘、再入札が募集されても、入札価格に見直しを加える考えはないと語った。不動産コンサルタント、リチャード・エリスの幹部は政府の評価と入札価格にギャップが生じた原因として、インフラ工事に豊富な経験を有する当局が地下街の建設コストをかなり低く見積もった可能性を指摘、政府がトンネル工事を担当し、民間はホテルの改築と経営のみを引き受けるような方式が採用される可能性を予想した。(ST,BT,LZ:1/10)
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