SEAnews 1996-12-24 ArtNo.8878

【シンガポール】シンガポール・リファイニング・カンパニー(SRC)は、他の主要製油会社の後塵を拝し石油化学事業に進出する計画だ。
シンガポール・ペトローリアム、ブリティッシュ・ペトローリアム、カルテックスの合弁会社ＳＲＣのトニー・アンダーソン重役(GM/CEO)が先週語ったところによれば、同社に出資する親会社の1社が2ヶ月前に石油化学事業への進出を提案、他の親会社2社もこれを支持している。計画の詳細は未定だが、小規模な下流部門プラントを擁する上流部門事業に2000万米ドル前後を投資すると言う。
シェルは20億米ドルのナフサ・クラッカーを擁する石油化学プロジェクトに既に参画しており、モービルとエッソはそれぞれ、世界的規模の石油化学コンプレックスをシンガポールに設けることを研究している。ＳＲＣは、世界的な設備過剰と競争過熱で石油精製事業の収益が下降線を辿る中で、石油化学事業への進出を目指しているが、同時に既存製油施設の一層の効率化を図る計画だ。同社はこれまでにシンガポールに26億Ｓドルを投資、その内の半分は最先端の残油接触分解装置(US$14億)に投入されている。このため同社は向こう数年間は既存製油施設の効率アップに力を入れる計画で、その一環として来年は2件のプロジェクトに投資する予定だ。1つは4200万Ｓドルの汚水処理施設、もう1つは新接触分解装置のボトルネック除去施設で、見積もりコスト800万米ドルの後者により、残油分解処理施設のガソリン及びディーゼル製造能力は日量3万3000バレルから3万9000バレルにアップされると言う。(BT,ST:12/23)