1996-12-23 ArtNo.8864
◆<星>化学工業生産S$22億、来年も堅調:EDB
【シンガポール】シンガポールの今年の化学工業生産は昨年比9.5~10.5%の成長を遂げ、22億Sドルをマーク、こうした堅調は来年も持続する見通しだ。
経済開発局(EDB)が20日発表したところによれば、1)石油、2)石油化学、3)特殊/工業用化学品、4)薬品/バイオ/ヘルスケア、5)材料の5部門から成る化学工業部門はシンガポールの製造業の中では電子工業に次ぐ規模を有する。石油、石油化学、特殊/工業用化学の3部門だけで、化学工業生産の80%を占める。
石油と材料部門は今年各14.5%の成長が見込まれ、化学産業全体の牽引役を果たしている。特殊/工業用化学品と薬品/バイオ/ヘルスケア両部門も各8.8%と9.9%の成長が見込まれるが、石油化学部門は10.5%の落ち込みが予想されている。石油化学生産は量的には6%の拡大が望めるが、世界的な製品の値下がりが不振につながった。
域内に誕生した新製油所との競争の過熱が、地元製油所のマージンを縮小させている。主要石油化学品の価格は世界的に1年前に比べ10~20%下降、業界筋はこうした状況が2000年まで持続すると予想している。とは言え化学工業全体としての見通しは明るく、特にアジア大平洋地域市場の化学品需要は世界一の成長速度を維持するものと予想されている。
化学工業は主要投資領域としての地位を維持しており、今年通年の投資約定額は石油業だけで18億Sドル、石油化学も14億Sドルが見込まれている。(ST,BT,LZ:12/21)
|