SEAnews 1995-03-15 ArtNo.875

【バンコク】タイ最大の不動産会社バンコク・ランドはスイス・フラン建て債務のヘッジに失敗したことから、6000万米ドルの損失を被る見通しだ。
タイ証券取引所は13日、ビジネスに実質的影響を及ぼす情報の開示を怠ったとしてバンコク・ランド株の取引停止を命じたが、原因は為替差損に有るようだ。疑惑が寄せられているのは同社の合計4億5000万スイス・フランにのぼる未償還転換社債で、最近の外国通貨市場の波乱からスイス・フランは今年に入ってだけでもバーツに対して8.5％値上がりしている。バンコク・ランドの帳簿上では換算率は1スイス・フラン＝17.87バーツで、関係債務は80億4400万バーツとなっているが、現在の21.20バーツのレートに換算すれば95億4000万バーツとなり、今年3月末締め会計年度に14億9500万バーツの為替差損を計上することになる。同社は94年12月末締め半期決算で既に5億バーツの為替差損を計上、純益を93年12月末締め9カ月の42億6500万バーツから9億9130万バーツに縮小させている。(BT:3.14)