SEAnews 1996-12-12 ArtNo.8735

【クアラルンプル】積極的な多角経営路線を展開するトンカ・ホールディングズBhd(THB)は先ず製造部門を上場させた後、グループの支配的部門に成長しつつある金融部門の上場も図る計画だ。
ＴＨＢの13％のシェアを保持するモクザニ・マハティール会長(35:首相の次男)が月曜ロイター社のインタビューに応じたところによれば、クアラルンプル証取(KLSE)一部上場計画を先週発表した精密工具製造のＴＨＢインダストリーズBhd(THBI)は傘下製造企業5社の後見役を務めることになる。
トンカは金融／製造／医療の3つの中核ビジネスを有し、これらの企業はインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)からランドリー・サービスに及ぶ。中でも製造部門は成熟期を迎えており、例えばトンカ・モールディング・テクノロジーズはＫＬＳＥ二部上場を予定している。
昨年末にKestrel Securities Sdn Bhdの権益を買収、金融サービス部門を設けたばかりのトンカは、早くも8448万Ｍドルを投じプルダナ・ファイナンスBhdの88％の権益買収を図っており、同買収計画が完了すれば、金融部門の払込資本は3000万Ｍドルから2億Ｍドルに飛躍、グループ最大の規模を有することになる。これによりKestrel証券は顧客に提供するクレジット・ラインの利子コストを軽減できる。昨年同社はこの種の利子として400万～500万Ｍドルを支払ったが、今後はグループ内の金融会社に支払われることになる。
トンカはまたホスピタル・パンタイBhdの21％の権益とトンカ・メディベストSdn Bhdの51％の権益を有し、後者は医療廃棄物の処理やランドリー・サービスを手がけている。トンカが70％のシェアを握るＴＨＢアジア・コネクトSdn Bhdはペナンネットの構築を手がけている。
トンカは96年6月期年度に前年比34.20％増の2500万Ｍドルの営業利益を計上している。(ST,BT:12/11)