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1996-12-12 ArtNo.8727
◆<星>電子業界に曙光;米国BBレシオ・アップ
【シンガポール】米国半導体業界の市況を占う11月のBB(ブック・ツー・ビル)レシオが1.15と、10月の1.11から更に改善したことから、シンガポール電子業界の先行きにも曙光が射している。
米国半導体産業協会(SIA)のダグ・アンドレイ理事(情報システム担当)はロイター社に「第3四半期の沈滞は最早過去のこと」と語った。BBレシオが1.15と言うことは半導体チップ100ドルの出荷に付き115ドルの受注が有ったことを意味する。先月の受注は前月比6.2%増の39億6000万米ドル、出荷は同3%増の34億4000万米ドルだった。とは言え昨年同月比では受注額は19%、出荷額は21%、それぞれ下降している。
シンガポールの半導体業界にはこのところ朗報が続いており、10月の国産非石油製品輸出は1.1%のプラス成長を回復、製造業生産も2ヶ月にわたったマイナス成長から1.8%のプラス成長を実現した。米国市場ではPC(パーソナル・コンピューター)に対する法人需要がアップ、消費者市場の軟調を相殺した。証券会社HGアジアのアナリストは「新技術の登場で、先行きに多少明るい見通しが抱ける」と語った。これらの新技術にはマルチメディア機能を備えたインテルのマイクロプロセッサーMMXやデジタル・ビデオ・ディスク技術が含まれる。メリル・リンチのエコノミストは、「製造業界は在庫ではなく、実際の生産で受注に対応しており、昨年末に積み上げた在庫整理に追われた今年初の状況とは様相が変わっている」と指摘した。しかしUBS証券アナリストは「国産非石油製品輸出は、昨年11、12月が好調だっただけに今後不振が再現する恐れも有り、昨年同様クリスマス需要に対する期待が空振りに終われば、BBレシオは再び1に後退するだろう。現状では幸運を期待するだけ」と警鐘している。(ST,BT:12/11)
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