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1996-12-11 ArtNo.8716
◆<星>オフィス賃貸料、来年は5%値下がり
【シンガポール】過去3年安定していたオフィス賃貸料が来年は全国的に5%ほど値下がりする見通しだ。
不動産コンサルタント会社リチャード・エリスによれば、来年は380万平方フィートのオフィス・スペースが市場に新規供給される。これは今年新規供給された215万平方フィートを75%も上回る。このため来年末には1993年末以来初めてオフィス入居率が90%を割り込むものと見られる。タンジョン・パガル、シェントン・ウェイ、ロビンソン・ロードの築後数年を経たビルが、新築ビルへのテナントの移転で最も深刻な影響を受けそうだ。
不動産業界筋によれば、今年9月末時点でセシル・ストリート、ロビンソン・ロード、タンジョン・パガルの比較的古いオフィス・ビルの空室率は二桁をマークしている。リチャード・エリス幹部によれば、シェントン・ウェイ、リバー・バリー地区は来年の新規供給スペースのそれぞれ13%と17%を占めることから、これらの地区の賃貸料が顕著な下降を見るものと予想される。
コリアーズ・ジャーディンのアナリストによれば、一等オフィス地区のラッフルズ・プレースでも十分な駐車スペースがなく、フロアー・エリアも小さいB等級のオフィス・ビル賃貸料は下降するものと見られる。しかし、同地区は来年供給される新規スペースの6%を占めるに過ぎないため、A等級のオフィス・ビルはほとんど影響を受けないものと見られる。
一方、マーリーナ・センターには来年の新規供給スペースの47%が集中するものの、同地区の賃貸料は今年既に調整が加えられたこと、来年の新規供給が下半期以降になること、来年以降には新規供給がほとんどないこと等から、同地区の賃貸料は現状を維持するものと見られる。
シンガポールにおける過去10年間の年間平均新規供給量は220万平方フィートと、平均230万フィートの新規需要を下回ってきた。来年以降の新規供給については1998年が150万平方フィート、1999年と2000年は各100万平方フィートにとどまることから、1998年末には再び入居率は90%以上に回復する見通しだ。
しかし、クアラルンプルでは今年から1998年末の間に2300万平方フィートのオフィス・スペースが新規供給されることから、一部のアナリストは国際競争も過熱するものと予想する。クアラルンプルの過去の年間新規需要は平均200万平方フィート前後で、シンガポールにおける需要の一部がKLに奪われる可能性もあると言う。(ST:12/10)
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