SEAnews 1996-12-06 ArtNo.8651

【シンガポール】ＩＢＭシンガポールの新任ＭＤ、ローレンス・ウィー氏(45)は、ＩＢＭ(S)の成長率を少なくともシンガポールの情報技術(IT)産業の成長率と同レベルにすることを目指している。
前任のＫ.Ｂ.ロー氏は、その退任挨拶の中で、昨年のＩＢＭ(S)の売上が2億米ドルを突破したことを明らかにしたが、市場調査会社データクエスト(S)のアナリストによれば、これはシンガポールＩＴ市場の10％に相当し、ライバルのヒューレット・パッカード、ディジタル・イクウィップメント、コンパック、サン・マイクロシステムのそれを凌駕している。また同2億米ドルにはカキブキ工場におけるディスク・ドライブ製造業務は含まれていない。ウィー氏によると、ＩＢＭ(S)の95年度営業額の成長率は20％には達しなかったが、ＩＢＭグループの11％の成長率を遥かに上回ったと言う。国家コンピューター局(NCB)の報告によれば、シンガポールのＩＴ産業は昨年の34.5％に続き、今年も30％以上の成長を遂げる見通しだ。ウィー氏によると、ＩＢＭが最近打ち出したネットワーク・コンピューティング戦略により、目標は達成可能で、同氏の努力もその辺に照準が合わされる。オープンシステムとインターネットを通じてコンピューターをリンクするネットワーク・コンピューティングは、時代の潮流であると同時に、ＩＢＭの最大の資産、メインフレーム・システムに新生命を吹き込むことになる。同戦略はまたシンガポール政府がＩＴ2000コンセプトの下に進めるインテリジェント・アイランド構想にもフィットしていると言う。
データクエストのアナリストはＩＢＭのメインフレーム売上が30％の成長を遂げるかどうかは別にして、ＰＣ(ﾊﾟｿｺﾝ)、ワークステーション、ミッドレーンジ・システムのＡＳ／400等を総合すれば、ＩＢＭが30％台の成長を実現するのは、困難でないと語った。(BT:12/5)