SEAnews 1996-12-03 ArtNo.8610

【シンガポール】シンガポールの国内総生産(GDP)成長率は、第3四半期に急激な退潮を見たが、エコノミストらは第4四半期には4％の成長を回復できるものと予想している。
ＢＴ紙が証券会社20社のアナリストの見通しを集計したところ、今年第4四半期のＧＤＰ成長率は2.8～5.7％と予想され、平均すると4％、また今年通年の成長率は6～7％、平均6.5％と、政府の各1.9％と6％の見通しを上回った。来年については、スロースタートな上半期を経て下半期には8～10％の成長が見込まれ、通年で平均6.8％の成長が予想された。1ヶ月前のこれらアナリストの予想と比較すると今年通年の成長見通しは変わっていないが、第4四半期の予想成長率は1％ポイント、1997年のそれは0.7％ポイント、下方修正されている。今年第4四半期の成長見通しが下方修正されたのは、政府が第1四半期と第2四半期の成長率を11.4％と7.5％に改め、第3四半期の3.2％と合わせた、年初9ヶ月の成長率が約7.2％になったことが影響している。
多くのアナリストは今年10月の国産非石油製品輸出が、8月と9月のマイナス成長から1.1％のプラス成長を回復したことを、景気復調の証拠としているが、ＵＢＳ証券アナリストは昨年10月の労働日数が今年を下回ったことも、貿易統計数字に影響しているとし、11月には揺り戻しが生じると予想した。同アナリストによれば世界的な半導体の受注状況から一層の輸出下降も見込まれる。しかし来年下半期には12％を超える輸出成長も期待できると言う。(BT:12/2)