1996-12-03 ArtNo.8609
◆<星>キャッシュカード、銀行の低コスト・ファンド源に
【シンガポール】シンガポールの地場銀行7行はキャッシュカードが向こう数年間に普及すれば、低コストな資金源を手に入れることができる。
キャッシュカードがある種の支払いに使用されるまでは、カードに蓄えられた額の対価は地場7行により無利子で保管されており、その総額は最大100億Sドルに達する。これは7行の預金残高のほぼ10%に相当する。
しかし銀行筋によると、この種の利益は今のところ決して大きくなく、また小売業者により支払われる0.15%前後のフィーも決して大きな収入源とは言えない。キャッシュカード1枚に100Sドルの価値が蓄えられたとして、銀行は約3Sドルの利子コストを節約できるが、これは1枚当たり5Sドルのカード製造コストにも足りない。加えてキャシュカード・システムの開発には4000万Sドルが費やされており、同投資の回収には14年を要する。
むしろ銀行や小売業者そして顧客が紙幣や硬貨をマニュアルで処理する手間が省けることが最大の長所と言う。取り分け銀行窓口でこの種の業務を手がける中卒や高卒の従業者の確保が益々困難になる中で、その利益は大きい。また造幣局が紙幣や硬貨を製造するコストの節約もバカにならないと言う。(ST:12/2)
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