SEAnews 1996-11-30 ArtNo.8585

【クアラルンプル】マレーシアの今年第3四半期の国内総生産(GDP)成長率は、昨年同期の9.3％、今年第2四半期の8.4％から8％に鈍化、軟着陸に成功した。
中央銀行が28日発表したところによれば、成長の減速は、製造業、鉱業、農業の各分野にわたって見られ、特に輸出志向産業の成長は第2四半期の9.4％から6.2％に顕著な鈍化を見た。
大手エアコン会社1社が保守のため8月に工場の操業を停止したことが、国内電気製品部門全体の足を引っ張った他、米国と欧州の繊維／既製服需要の軟化も影響した。しかしながら化学、石油精製、建材、運輸機器部門は堅調を維持、製造業全体では、第2四半期の12.2％には及ばないものの、9.9％の成長率をマークした。
農業生産は第2四半期の5.8％から4.2％に、鉱業生産は同3.7％から2.4％に、成長の速度を弛めた。しかし建設部門は第2四半期の11.5％から12％に成長速度を速めた。また金融／ビジネス・サービス部門も第2四半期の8.6％を上回る9.2％の成長を見た。
民間消費の伸びにも鈍化が見られ、乗用車販売の成長率はは第2四半期の17％から15.7％に減速、消費財の輸入は第2四半期のマイナス1.1％からマイナス3.8％に、縮小の速度を速めた。消費者向け銀行融資の伸びも僅かに低めの30.7％を記録、インフレ率は第2四半期の3.7％から3.6％に緩和した。貿易収支の黒字は第2四半期の5億3600万Ｍドルから6億5800万Ｍドルに拡大、昨年同期の28億Ｍドルの赤字から顕著に改善した。
第3四半期には83億Ｍドルの投資計画が通産省の認可を得、第2四半期の72億Ｍドルを上回った。(NST,MBT,STAR,ST,BT,LZ:11/29)