SEAnews 1996-11-22 ArtNo.8472

【シンガポール】シンガポールの10月の国産非石油製品輸出は、名目(現在価格：以下同様)で昨年同月比1.1％アップ、8月と9月の6％前後の落ち込みからプラス成長を回復した。
製造業の健康状態を占うバロメーターとされる国産非石油製品輸出のプラス成長回復に関して、エコノミストらは景気が底打ちした可能性も有るが、昨年同月の貿易実績が平凡だったことから10月の改善は予想されていたことで、昨年実績が良好だった11月、12月には再びマイナス成長に後退する恐れもあると慎重だ。アナリストらは、貿易開発局(TDB)の10月の統計発表後も、3.5－4％の第4四半期国内総生産(GDP)成長予測及び6.2－6.5％の通年の成長見通しに修正を加えていない。ちなみに通産省は6％と予測している。
国別の国産非石油製品輸出を見ると、米国と日本向けが1.4％と3.5％の落ち込みを見た反面、欧州とマレーシア向けが4％と0.5％のプラス成長を記録、また中国向けが47％の急増を見た。
データ処理機器の輸出は8月の5.8％、9月の4.3％を上回る9.6％の伸びを見、6ヶ月以上にわたってマイナス成長を続けてきたエレクトロニク・バルブ／半導体チップの輸出は、10月には1.7％のプラス成長を回復した。アナリストはＤＲＡＭの値下がりが底打ちしたことが一因と見ている。
国産石油製品輸出は市場価格が24％アップしたことから、量的には6.8％の減少を見たにも関わらず、額は15.9％拡大した。また再輸出は7.3％、総輸出は4.8％、往復貿易は3.3％、それぞれ増加した。(ST,BT,LZ:11/21)