1996-11-21 ArtNo.8459
◆<星>クリエイティブ/アズテク、揃って新製品発表
【シンガポール】赤字からの脱出を図る地場マルチメディア企業ライバルのクリエイティブ・テクノロジーとアズテク・システムズが米ラスベガスのコンピュータ・ショー“コムデックス・フォール96”に揃って新製品を展示した。
クリエイティブの新製品はプロフェッショナル・クオリティの性能を謳うパソコン(PC)用オーディオ・カード“サウンドブラスターAWE64”と“AWE64ゴールド”で、価格はそれぞれ199米ドル、249米ドル。これに対してアズテクはPCのドライブ・スロットに装着するデジタル写真現像装置“DPD-100”を発表した。同装置は開発の最終段階にあるという。
昨年度決算で3760万米ドルの損失を被ったクリエイティブは赤字転落の原因となったCD-ROMドライブの製造に見切りをつけ、オーディオ・カード事業に専念すると発表、今年度第1四半期(7~9月)決算は1470万米ドルの黒字を回復した。同社は新製品投入で、業績回復に弾みがつくものと期待している。アズテクは今年度中間決算の赤字に加え、8ビット・オーディオ・カードの著作権侵犯問題を巡り損害賠償と訴訟費用の支払いにも直面している。
調査会社データプロのアナリストは、アズテクの新製品はデジタル写真現像サービスをすでに行っているイーストマン・コダックとの競争に直面するため、価格設定を誤ればチャンスは少ないと語る。同氏によると、プリンタによる高品質なカラー印刷が可能になった今、ユーザーがデジタル写真現像装置を別に購入するかどうかも疑わしい。クリエイティブについても、同氏は「もっとクリエイティブになってほしい」と、オーディオ・カードへの過度な依存に懸念を表明した。(BT:11/20)
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