1996-11-20 ArtNo.8448
◆<馬>首相、ロータス買収巡り英国銀行を非難
【ロンドン】マハティール首相は、英国のミッドランド・バンクがロータス買収を阻止するためプロトンの小切手による支払いを拒絶したと非難したが、ミッドランド・バンクは18日そのような意図を否定した。
マレーシアの地元紙がマハティール首相の言として報じたところによれば、プロトンのヤハヤ・アハマド会長がロータス買収の手付け金として2億600万Mドルの小切手をスタンダード・チャータード・バンク・マレーシア支店を通じてミッドランド・バンクに送付したところ、後者は受け取りを拒絶、キャッシュによる支払いを求めた。
首相は「小切手は有効なものであったにも関わらず、彼らはキャッシュによる支払いを求めた。企業買収の手付け金をキャッシュで支払う者など存在しないがヤハヤは要求通り支払いを行った」と語った。マハティール首相はさらに「ロータスの買収には、決断力と技術を要した。何故なら韓国企業も買収を図っていたからで、もし自身の金を投資し、ビジネスを理解する者によってプロトンが所有されていなかったなら、取引は成功しなかったろう。他人のビジネスを管理する者は、決して自分でリスクを負うことはない」とコメント、ヤハヤ氏の手並みを激賞した。ミッドランド・バンク筋がBT紙に語ったところによると、同行は当初から関係取引のためプロトンの相談に乗り、支払い方法を協議して来た。同交渉の最終段階でヤハヤ氏のアドバイザーは「小切手による支払いは時間を浪費し、英国銀行界の慣行でもなくなっている」とし、銀行振替の採用を示唆した。このためミッドランド・バンクは“テステッド・テレックス(照合用ナンバー付きの電子メッセージを通じた支払い)”方式を提案、プロトン側も同方式に満足の意を表明したが、最終的にこうした協議は全て雲散霧消したと言う。同行スポークスマンはマハティール首相の談話に当惑、「我々はロータスの取引銀行の1行に過ぎず、アドバイザーでもない。取引妨害の意思など全くない」と強調した。(BT,ST,BT,LZ:11/19)
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