1996-11-20 ArtNo.8445
◆<星>スイス香料会社ファーメニック、アジア事業拡張
【シンガポール】スイス拠点の香料・香辛料会社ファーメニックは、1000万Sドルを投じてトゥアス・ウエスト・ロードに設けた新施設に最近移転、事業拡張とスタッフの増員を計画している。
ファーメニックのM.ボンジ重役(アジア地域担当MD)によると、同社は早くも1974年にシンガポールに進出、今日の従業員総数は、香味専門家3人、トイレタリー製品の調香師5人、及び食品技術者多数を含む95人。 プロクター&ギャンブル、ユニリバー、コルゲート・パルモーリブなどが主要クライアント。同社の香味市場はアジア17カ国に及ぶが、クライアントの40%をシンガポール企業が占めている。目下アジア地域業務を拡大中で、同地域の従業員は5年前の100人から現在の500人に増えている。
インドネシア、タイ、中国、ベトナムなど多数の国にオフィスと研究施設を設けているが、これは、味と香りの好みが各国の生活習慣と深く関わっているため。しかし、嗜好のグローバル化が進んでおり、全世界で同じ製品が販売できれば、メーカーのコストは削減される。このため世界中の専門家と情報交換を行っている。アジアの中心市場は日本、中国、インドネシア、インドで、アジアの香料・香味市場は5~10%のペースで拡大している。またソフナー(織物・編物軟化剤)など、これまでほとんど使用されていなかった製品領域では100%の伸びが記録されている。
ファーメニックの昨年の世界売上は10億スイス・フランで、内20%にアジアが貢献、欧州は45%、米国は30%を占めた。香料・香味の世界市場は推定120億~130億スイス・フラン(S$131億-143億)で、同社は8%のシェアを占め、第4位。同社の全世界の従業員数は3100人を数える。(BT:11/19)
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