1996-11-19 ArtNo.8440
◆<泰>サイアム鉄鋼部門、輸入課徴金導入後も黒字転換望み薄
【バンコク】来年から輸入鋼材に対する10%の課徴金が導入されるが、サイアム・セメント(SCC)鉄鋼子会社の黒字転換は望み薄と言う。
SCCのVirash Krittaphol副社長によれば、国内鉄鋼業界は目下ロシアや東欧から輸入されるトン当たり9000バーツの鋼材の脅威に晒されている。輸入鋼材のトン当たり価格は10%のサーチャージが課されても1万バーツに過ぎず、これはSCCが鉄鋼市場への進出を決めた際に想定したトン当たり1万2000~1万8000バーツを遥かに下回っている。また輸入課徴金の期限は1年間のみとなっている。
SCCは加えて来年は10億バーツの拡張投資を計画しており、このこともコスト高を助長する見通しだ。同投資によりスチール・ワイヤーの製造能力は7万トンから12万トンに、建設用鋼材のそれは30万トンから50万トンに拡大される。この他同社は構造用鉄鋼を60万トン製造する能力を有する。
発足以来赤字経営が続いているSCCの鉄鋼部門はサイアム・ユナイテッド・スチールの冷間圧延工場が1998年に稼働後初めて黒字転換が望めるが、同工場は当初は75%の稼働率で、2001年からフル操業すると言う。(BD:11/18)
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