1996-11-15 ArtNo.8385
◆<星>アズテクの敗訴コストS$2千万~4千万も
【シンガポール】アズテク・システムズは8ビット・サウンド・カードを巡るクリエイティブ・テクノロジーとの著作権侵犯訴訟に敗れたことで、2000万~4000万Sドルのダメッジを被る見通しだ。
著作権訴訟に詳しい弁護士らは以上のように推定するが、これは1株当たり5~11セントに相当する。アズテクは上半期に1770万Sドルの損失を計上した上、特別項目でも1500万Sドルの引き当てを強いられ、既に深刻な赤字経営に陥っている。同社は1995年12月時点では1180万Sドルのキャッシュを手にしていたが、1996年6月時点の負債は1億980万Sドルに達している。控訴廷は13日の公判で昨年10月の高裁判決を覆し、クリエイティブの勝訴を判決した。法廷はアズテクとクリエイティブのファームウェア(変更できないハードウェア上のプログラム)の類似性は決して偶然生じたものではなく、アズテクは明らかにクリエイティブの著作権を侵犯したと述べ、またアズテクはクリエイティブのファームウェアを競合する製品の開発に借用しており、決して公正とは言えないと判決した。
法曹界筋はこれによりクリエイティブは、著作権侵犯による損害賠償の他、アズテクの8ビット製品からの利益に伴う損失の補償を求めるものと見、その額はアズテクの利益を遥かに上回ると予想している。また今回の判決に伴うアズテクのダメッジとともに、巷間ではクリエイティブが16ビット技術を用いたサウンド・カードに関しても著作権侵犯の訴えを起こすのではないかと注目している。この点に関して外国証券会社のアナリストは「16ビット・カードはアズテクの米櫃」と評している。(ST,BT,LZ:11/14)
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