1996-11-14 ArtNo.8367
◆<星>アナリスト、米国半導体市況回復の波及効果に慎重姿勢
【シンガポール】米国半導体産業協会(SIA)が12日に発表した10月のBB(ブック・ツー・ビル)レシオは9月の0.98からアナリストらの予想を上回る1.10に回復した。
米国の多くのアナリストは0.99~1.03の穏やかな回復を予想していたが、SIAは、クリスマス・シーズンを控えパソコン(PC)メーカーからのオーダーが急増、BBレシオを1以上に押し上げたとコメントしている。
シンガポールのアナリストらはBBレシオの改善を歓迎しているものの、米半導体市場の回復が新規受注としてシンガポールまで伝わって来るには3~6カ月を要すると予想している。ケイヒアン・ジェームズ・ケーペルの上級投資アナリストは、BBレシオの大幅な上昇は第3四半期に電子産業が底入れしたとの見方を裏づけるもので、今や業況は回復の道を進みつつあると語った。しかし、デル・コンピュータ・コープのP.ケリー社長(アジア太平洋グループ)は、回復が持続するか否かについて即断は避けたいとしている。なお、SIAは1978年以来毎月発表してきた米国内の半導体需要動向を示すBBレシオにかえ、世界の主要半導体市場の需要動向を示す“グローバル・ビリングズ・レポート”を来年から毎月発表していく。来年1月に最後のBBレシオを発表してから2週間後に第1回目のレポートを発表する予定と言う。(ST:11/13)
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