1996-11-12 ArtNo.8338
◆<星>製造業界、向こう6ヶ月の業況に悲観的見通し:サーベイ
【シンガポール】シンガポールの製造業界は今年10月から来年3月の業況に全般に悲観的な見通しを抱いている。
通産省の第3四半期経済報告書とともに発表された業況見通し調査報告によれば、同期に業況の改善を予想したものは19%にとどまり、悪化を予想したもの(21%)を、2%ポイント下回った。また6%のものは変化無しと答えた。第1四半期の同調査では改善を見込むものが、悪化を予想するものを23%ポイント上回っており、第2四半期には同バランスが+5%ポイントに縮小、そして今回のマイナス2%ポイントと、業界の悲観情緒が時を追って深まっている。電子、電機、食品飲料、金属加工の4部門はいずれも厳しい見通しを抱いており、不況の直撃を受けた電子部門のネットバランスは-2%ポイントだった。半導体業界は製品の値下がりで依然慎重見通しが大勢を占め、4Mb(メガビット)メモリ・チップの価格は年初以来70%ダウンしている。しかしディスク・ドライブ業界は依然強気だ。また金属加工、電機業界は電子業不振の煽りを受けた。
石油精製、印刷、運輸機器、化学の4部門は概して楽観的で、石油精製業界は冬季に向けての燃料需要の拡大と価格の上昇を、印刷業界も日記/カレンダー/教科書等の季節的需要増を、それぞれ期待している。
経済活動の先行きの指針となる総合指導指数(CLI)は過去3四半期連続落ち込みを見ていたが、第3四半期には0.9%の上昇を回復した。9項目の指数中、新規受注、通貨供給、完成品在庫、中央積立基金(CPF)納入不履行反転比率の4項目がプラス成長を記録、株価、会社新設、製造卸売り、労働コスト反転比率、卸売り見通しの5項目がマイナス成長を見た。(ST,BT,LZ:11/9)
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