1996-11-05 ArtNo.8264
◆<星>香港企業、LCDユニットをSESに上場計画
【シンガポール】香港証取上場のインテグレーテッド・ディスプレー・テクノロジー(IDT)は、傘下の液晶ディスプレー(LCD)ビジネスを来年1月にシンガポール証取(SES)に米ドル建てで一次上場させる計画だ。
レイモンド/シェリー・チャン夫妻が1977年に設立したIDTグループは、タイミング、圧力、温度、湿気等を測定する消費用LCD製品の設計/開発/製造/マーケッティングを中核業務としている。レイモンド・チャン会長によると、既にSESに上場申請を行っており、今年末までには原則的な認可が得られる見通しだ。公募及び私募に付されるのは新株と譲渡株からなり、Vickers Ballasが公募幹事を務める。調達される資金の額や公募価格等の詳細は未定。同社が中核とする業務領域には今のところ目立った競争者が存在せず、今後もリーダーシップを維持できる見通しだ。同社はシンガポールを拠点に東南アジアにおけるプレゼンスを確立する計画で、ディストリビューション・チャンネルの拡大を図る。IDTは既にドイツ、英国、米国におけるダイレクト・ディストリビューションを手がけており、フランス、イタリア市場への進出を狙っている。シェリー・チャン専務(ED)によると、公募調達資金の一部は中国における表面実装/プラスチック射出成形用設備の製造事業に投じられ、電子キャッシュ・カード関連機器事業への投資も計画されている。同社は過去半年間にビサ、モンデックス用キャッシュ・カード・リーダーを欧州、オーストラリア、ニュージーランドに出荷しており、1997年には同事業も軌道に乗る見通しだ。96年3月期のLCDユニットの年商は50%増の4億1700万HKドル、純益は151%増の4540万HKドルに達したと言う。(BT:11/4)
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